在宅介護 (2026年9月10日 更新)

デイサービスってどんなところ?費用、回数、行きたがらない親のこと

デイサービスってどんなところ?費用、回数、行きたがらない親のこと

「ケアマネさんに『デイサービスはどうですか』と言われた。でも、そもそも何をするところなんだろう」

「本人は行きたくないと言っている。無理に行かせるのも、なんだか気が引ける」

名前は聞いたことがあっても、中で何をしているかは、通っている人しか知りません。朝、車で迎えに来て、夕方に帰ってくる。そのあいだ親がどう過ごしているのか、分からないまま話が進んでいくことも多いと思います。

今日は、デイサービスがどんなところなのかを、送り出してから帰ってくるまでの流れで見ていきます。週に何回まで通えるのか、いくらかかるのか、そして行きたがらない親のことも。


とも
とも
今日はデイサービスのお話です。名前はよく聞くけれど、中の様子は意外と知られていないんですよね。
こまり
こまり
お風呂に入って、ごはん食べて、体操する、みたいなイメージなんだけど、合ってる?
とも
とも
だいたい合っています。ただ、それだけではないんです。行く前は気が進まなかった方が、通いはじめたら「毎日楽しい」と言うようになる。そういうことが、けっこうあるんですよ。

デイサービスってどんなところ

デイサービスで職員と談笑する高齢女性

デイサービスは、正式には通所介護といいます。朝、車で迎えに来てもらって施設に行き、夕方に送ってもらって家に帰る。日帰りで通うサービスです。

介護保険を使うので、要介護の認定を受けている方が対象です。要支援の方は、お住まいの市区町村がやっている総合事業の通所サービスを使うことが多くなります。

行くと、お風呂に入り、昼ごはんを食べ、体を動かして、ほかの利用者さんと過ごします。家にこもりきりになりがちな方にとっては、外に出るきっかけができる場所でもあります。

ご家族にとっては、その時間だけ手が空くという面もあります。その日は昼ごはんの支度もお風呂の介助もいらない。仕事に出られる日もできる。

似た名前のサービスにデイケア(通所リハビリテーション)があります。こちらは医師やリハビリの専門職が関わって、リハビリを行うところです。違いは別の記事にまとめています。

デイサービスとデイケア、何が違うの?目的で選ぶ通所サービスの話

一日の流れ

朝から帰るまで、だいたいこんな流れで進みます。

  • 朝の送迎:8時半から9時ごろ、施設の車が家まで迎えに来ます
  • 着いてすぐ体温と血圧をはかる:その日通えるかどうかを、ここで確かめます
  • お風呂:午前中に順番で入ります。手伝いが必要なところは、職員が支えてくれます
  • 昼ごはん:みんなで食べます。飲み込みが心配な方には、刻んだものやとろみをつけたものが出ます
  • 休憩:横になれる部屋があるところもあります
  • 体操や活動:体操、歌、ぬり絵、書道、麻雀。事業所によって中身はかなり違います
  • おやつとお茶:この時間のおしゃべりが目当て、という方もいます
  • 夕方の送迎:4時ごろから順番に送ってもらって、家に帰ります

ただし、これはひとつの例です。時間の区切りも、活動の中身も、事業所によってずいぶん違います。

半日だけのところもあります。午前中に体を動かして、昼前に帰る。そういう短い形も選べます。

こまり
こまり
半日だけっていうのもあるんだ。一日いなきゃいけないのかと思ってた。
とも
とも
あるんです。むしろ最初は半日から、という方もいますよ。あとでその話もしますね。

通うと、何が変わるのか

デイサービスの職員と話す高齢者と家族

いちばん大きいのは、話す相手ができることだと感じています。

とくに、連れ合いを亡くして、家で話す相手がいなくなった方。デイに通いはじめて新しく友だちができたり、昔の知り合いと思いがけず再会したり。職員さんも優しくしてくれる。そうやって楽しそうに通われる方は、けっこういらっしゃいます。

もちろん全員ではありません。ただ、合ったときの変わり方は本当に大きいです。合わなければ、別の手を考えればいいだけの話です。

体のことでも、変わることがあります。わたしの父は脳梗塞で倒れたあと、言葉がうまく出てこない状態になりました。デイサービスに通って、人と話し、歌い、体を動かす日々を続けているうちに、少しずつ言葉が戻ってきました。

ただ、これは父の場合の話です。デイに通えば言葉が戻る、と言えるものではありません。時間とともに自然に回復していく部分もあります。それでも、人と関わる時間が後押しになったのは確かだと思っています。

そのあたりの話は、こちらの記事でも書いています。

脳は、けっこういいかげん。でも、すごい。──本から学んだ脳科学のこと

週に何回まで通えるのか

「週◯回まで」という決まりはありません。介護保険で1か月に使える上限額の中で、ほかのサービスとの組み合わせで決まります。

上限額は、要介護度によって変わります。

要介護度1か月に使える上限(目安)
要支援1約 5万円
要支援2約 11万円
要介護1約 17万円
要介護2約 20万円
要介護3約 27万円
要介護4約 31万円
要介護5約 36万円

この枠を、デイサービスだけで使うわけではありません。ヘルパーさん、福祉用具のレンタル、訪問看護。ほかに使うものがあれば、そのぶんデイに回せる分は減ります。

だから「週に何回にするか」は、ご本人の状態と、ほかに何を使うかを見ながら、担当のケアマネジャーがケアプランに反映させます。希望やご様子によって増やしたり減らしたり調整をしていきます。

これだと何回使うのがいいのか迷う方もいらっしゃると思うので、わたしの経験から目安をひとつ。最初は慣れるまで週1回から始めて、慣れてきたら週2回くらい、という方が多いです。

費用はいくらくらいか

デイサービスの料金は、要介護度と、その日いる時間の長さで決まります。長くいるほど、介護度が重いほど、高くなります。

7時間から8時間のデイに1回通った場合、1割負担の方でだいたいこのくらいです。

  • 要介護1 … 1回 750円 ほど
  • 要介護3 … 1回 1,000円 ほど
  • 要介護5 … 1回 1,300円 ほど

これに昼ごはんの食費が別にかかります。700円から900円くらいが目安です。食費は介護保険の対象外なので、上限額の枠とは関係なく、実費でかかります。おむつ代や、行事のときの材料費が別にかかることもあります。

負担割合は1割から3割です。ご本人の所得によって決まっていて、負担割合証という紙に書かれています。

金額は、お住まいの地域や、事業所が取っている加算によっても変わります。うちの場合はいくらになるのかは、担当のケアマネジャーに聞いてください。ケアプランを作るときに、ひと月いくらになるかを出してもらえます。

どこを選べばいいのか

見学に行ったとき、見ておくとよいのはこのあたりです。

  • 送迎の範囲と時間。家から近いほど、車に乗っている時間が短くてすみます
  • お風呂のタイプ。体の状態に合うお風呂があるか
  • レクや活動の中身。本人の好きなことがあるか
  • 食事。刻み食など、飲み込みに合わせた対応があるか
  • 職員の人数と、その場の空気
  • 認知症のある方への慣れ
  • お試しで一度行けるか

ただ、同じ「デイサービス」という名前でも、事業所ごとに得意なことがまるで違います。リハビリに力を入れているところ、認知症のある方への関わりに慣れているところ、外に出る行事が多いところ。そこを知っておくと、選ぶときの見方が変わります。

どんな得意分野があるのかは、こちらにまとめています。

同じデイサービスでも中身は全然違う。事業所は「得意分野」で選ぶ

親が「行きたくない」と言うとき

行く前は気が進まない、という方が多いです。知らない場所に、知らない人がいて、そこへ一人で行く。新しいことを始めるのには、エネルギーが要ります。年齢に関係なく、誰でもそうです。

わたしの父も、そういうところに行きたがるタイプではありませんでした。

だから、ハードルの低いものから始めました。まずは半日の、体を動かすことに絞ったデイサービス。それと訪問のサービスを組み合わせて、少しずつ慣れてもらう。慣れてきたころに、一日いるタイプのデイに移りました。

いきなり週3回、朝から夕方まで、ではなくていいんです。本人が取り組めるところから始める。それで十分です。

もうひとつ、お伝えしていることがあります。

とも
とも
「いつでもやめていいから、まずお試しで行ってみたら」と言ってみてください。やめられないと思うから、身構えるんです。一度行ってみて、それで終わりにしてもいい。そう思えると、足が動くことがあります。

それでも渋られるときに、言い方を変えてみる手もあります。

「お父さんのために」「お母さんのために」と言うと、「俺は大丈夫だ」と返ってくることが多いです。自分は困っていない、と思っているからです。

そういうときは、「わたしのために行ってほしい」と言ってみてください。あなたが心配していること、少し休みたいこと。そちらを理由にすると、すんなり通ることがあります。

こまり
こまり
自分のためだと動かないのに、家族のためだと動くんだ。なんか、わかる気がする。

まとめ

こまり
こまり
つまり、デイサービスは朝迎えに来てくれて、お風呂とごはんと体操をして、夕方帰ってくるところ。回数は決まりがなくて、上限額の中でケアマネさんが組む。お金は介護度と時間で決まって、ごはん代は別。行きたがらないときは、半日から始めて、いつでもやめていいって伝える。こんな感じ?
とも
とも
そのとおりです。合うかどうかは、行ってみないと分かりません。合わなければ、そのとき考えればいいんです。

行く前に気が進まないのは、当たり前のことです。無理に納得させてから送り出さなくても大丈夫です。

まず一度、行ってみる。それだけで十分な一歩です。

ここまでの話を、1枚にまとめました。印刷して手元に置いたり、ご家族で見ながら話すときに使ってください。

デイサービスってどんなところ? 1どんなところ(朝迎えに来て夕方送ってもらう日帰り)、2一日の流れ(8時半から9時ごろ迎え、体温と血圧、お風呂と昼ごはん)、3通うと何が変わる(話し相手ができる、新しい友だちや昔の知り合いとの再会)、4週に何回まで(決まりはなく上限額の中で。最初は週1回、慣れたら週2回が目安)、5費用(1割で1回750円から1300円ほど、食事代は別)、6行きたくないと言われたら(半日から、いつでもやめていい、わたしのために行ってほしい)

この図を保存する(印刷用)


よくある質問

とも
とも
最後に、よくいただく質問にいくつかお答えいたします。

送り迎えを、家族がしてもいいですか?

できます。ただ、送迎の分だけ料金が下がるので、事業所と先に決めておく必要があります。通院の帰りにそのまま寄る、といった使い方をされる方もいます。担当のケアマネジャーに伝えれば、事業所と調整してもらえます。

持ち物は何が要りますか?

着替え、タオル、飲みもの、薬。おむつを使っている方はその分も。持ちものには全部、名前を書いてください。同じような品が並ぶので、名前がないと分からなくなります。何が要るかは事業所によって違うので、契約のときに一覧をもらってください。

途中で回数を増やしたり、減らしたりできますか?

できます。ケアプランを作り直せば、翌月から変えられます。「最近しんどそうなので減らしたい」「もう1日増やしたい」と、担当のケアマネジャーに伝えてください。上限額の残りとの兼ね合いも、そのとき一緒に見てもらえます。

最終的なご判断は、担当のケアマネジャーや専門家にご相談ください。

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とも 現役・主任介護支援専門員

現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。

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