デイサービスってどんなところ?費用、回数、行きたがらない親のこと
「ケアマネさんに『デイサービスはどうですか』と言われた。でも、そもそも何をするところなんだろう」
「本人は行きたくないと言っている。無理に行かせるのも、なんだか気が引ける」
名前は聞いたことがあっても、中で何をしているかは、通っている人しか知りません。朝、車で迎えに来て、夕方に帰ってくる。そのあいだ親がどう過ごしているのか、分からないまま話が進んでいくことも多いと思います。
今日は、デイサービスがどんなところなのかを、送り出してから帰ってくるまでの流れで見ていきます。週に何回まで通えるのか、いくらかかるのか、そして行きたがらない親のことも。
デイサービスってどんなところ
デイサービスは、正式には通所介護といいます。朝、車で迎えに来てもらって施設に行き、夕方に送ってもらって家に帰る。日帰りで通うサービスです。
介護保険を使うので、要介護の認定を受けている方が対象です。要支援の方は、お住まいの市区町村がやっている総合事業の通所サービスを使うことが多くなります。
行くと、お風呂に入り、昼ごはんを食べ、体を動かして、ほかの利用者さんと過ごします。家にこもりきりになりがちな方にとっては、外に出るきっかけができる場所でもあります。
ご家族にとっては、その時間だけ手が空くという面もあります。その日は昼ごはんの支度もお風呂の介助もいらない。仕事に出られる日もできる。
似た名前のサービスにデイケア(通所リハビリテーション)があります。こちらは医師やリハビリの専門職が関わって、リハビリを行うところです。違いは別の記事にまとめています。
デイサービスとデイケア、何が違うの?目的で選ぶ通所サービスの話
一日の流れ
朝から帰るまで、だいたいこんな流れで進みます。
- 朝の送迎:8時半から9時ごろ、施設の車が家まで迎えに来ます
- 着いてすぐ体温と血圧をはかる:その日通えるかどうかを、ここで確かめます
- お風呂:午前中に順番で入ります。手伝いが必要なところは、職員が支えてくれます
- 昼ごはん:みんなで食べます。飲み込みが心配な方には、刻んだものやとろみをつけたものが出ます
- 休憩:横になれる部屋があるところもあります
- 体操や活動:体操、歌、ぬり絵、書道、麻雀。事業所によって中身はかなり違います
- おやつとお茶:この時間のおしゃべりが目当て、という方もいます
- 夕方の送迎:4時ごろから順番に送ってもらって、家に帰ります
ただし、これはひとつの例です。時間の区切りも、活動の中身も、事業所によってずいぶん違います。
半日だけのところもあります。午前中に体を動かして、昼前に帰る。そういう短い形も選べます。
通うと、何が変わるのか
いちばん大きいのは、話す相手ができることだと感じています。
とくに、連れ合いを亡くして、家で話す相手がいなくなった方。デイに通いはじめて新しく友だちができたり、昔の知り合いと思いがけず再会したり。職員さんも優しくしてくれる。そうやって楽しそうに通われる方は、けっこういらっしゃいます。
もちろん全員ではありません。ただ、合ったときの変わり方は本当に大きいです。合わなければ、別の手を考えればいいだけの話です。
体のことでも、変わることがあります。わたしの父は脳梗塞で倒れたあと、言葉がうまく出てこない状態になりました。デイサービスに通って、人と話し、歌い、体を動かす日々を続けているうちに、少しずつ言葉が戻ってきました。
ただ、これは父の場合の話です。デイに通えば言葉が戻る、と言えるものではありません。時間とともに自然に回復していく部分もあります。それでも、人と関わる時間が後押しになったのは確かだと思っています。
そのあたりの話は、こちらの記事でも書いています。
脳は、けっこういいかげん。でも、すごい。──本から学んだ脳科学のこと
週に何回まで通えるのか
「週◯回まで」という決まりはありません。介護保険で1か月に使える上限額の中で、ほかのサービスとの組み合わせで決まります。
上限額は、要介護度によって変わります。
| 要介護度 | 1か月に使える上限(目安) |
|---|---|
| 要支援1 | 約 5万円 |
| 要支援2 | 約 11万円 |
| 要介護1 | 約 17万円 |
| 要介護2 | 約 20万円 |
| 要介護3 | 約 27万円 |
| 要介護4 | 約 31万円 |
| 要介護5 | 約 36万円 |
この枠を、デイサービスだけで使うわけではありません。ヘルパーさん、福祉用具のレンタル、訪問看護。ほかに使うものがあれば、そのぶんデイに回せる分は減ります。
だから「週に何回にするか」は、ご本人の状態と、ほかに何を使うかを見ながら、担当のケアマネジャーがケアプランに反映させます。希望やご様子によって増やしたり減らしたり調整をしていきます。
これだと何回使うのがいいのか迷う方もいらっしゃると思うので、わたしの経験から目安をひとつ。最初は慣れるまで週1回から始めて、慣れてきたら週2回くらい、という方が多いです。
費用はいくらくらいか
デイサービスの料金は、要介護度と、その日いる時間の長さで決まります。長くいるほど、介護度が重いほど、高くなります。
7時間から8時間のデイに1回通った場合、1割負担の方でだいたいこのくらいです。
- 要介護1 … 1回 750円 ほど
- 要介護3 … 1回 1,000円 ほど
- 要介護5 … 1回 1,300円 ほど
これに昼ごはんの食費が別にかかります。700円から900円くらいが目安です。食費は介護保険の対象外なので、上限額の枠とは関係なく、実費でかかります。おむつ代や、行事のときの材料費が別にかかることもあります。
負担割合は1割から3割です。ご本人の所得によって決まっていて、負担割合証という紙に書かれています。
金額は、お住まいの地域や、事業所が取っている加算によっても変わります。うちの場合はいくらになるのかは、担当のケアマネジャーに聞いてください。ケアプランを作るときに、ひと月いくらになるかを出してもらえます。
どこを選べばいいのか
見学に行ったとき、見ておくとよいのはこのあたりです。
- 送迎の範囲と時間。家から近いほど、車に乗っている時間が短くてすみます
- お風呂のタイプ。体の状態に合うお風呂があるか
- レクや活動の中身。本人の好きなことがあるか
- 食事。刻み食など、飲み込みに合わせた対応があるか
- 職員の人数と、その場の空気
- 認知症のある方への慣れ
- お試しで一度行けるか
ただ、同じ「デイサービス」という名前でも、事業所ごとに得意なことがまるで違います。リハビリに力を入れているところ、認知症のある方への関わりに慣れているところ、外に出る行事が多いところ。そこを知っておくと、選ぶときの見方が変わります。
どんな得意分野があるのかは、こちらにまとめています。
同じデイサービスでも中身は全然違う。事業所は「得意分野」で選ぶ
親が「行きたくない」と言うとき
行く前は気が進まない、という方が多いです。知らない場所に、知らない人がいて、そこへ一人で行く。新しいことを始めるのには、エネルギーが要ります。年齢に関係なく、誰でもそうです。
わたしの父も、そういうところに行きたがるタイプではありませんでした。
だから、ハードルの低いものから始めました。まずは半日の、体を動かすことに絞ったデイサービス。それと訪問のサービスを組み合わせて、少しずつ慣れてもらう。慣れてきたころに、一日いるタイプのデイに移りました。
いきなり週3回、朝から夕方まで、ではなくていいんです。本人が取り組めるところから始める。それで十分です。
もうひとつ、お伝えしていることがあります。
それでも渋られるときに、言い方を変えてみる手もあります。
「お父さんのために」「お母さんのために」と言うと、「俺は大丈夫だ」と返ってくることが多いです。自分は困っていない、と思っているからです。
そういうときは、「わたしのために行ってほしい」と言ってみてください。あなたが心配していること、少し休みたいこと。そちらを理由にすると、すんなり通ることがあります。
まとめ
行く前に気が進まないのは、当たり前のことです。無理に納得させてから送り出さなくても大丈夫です。
まず一度、行ってみる。それだけで十分な一歩です。
ここまでの話を、1枚にまとめました。印刷して手元に置いたり、ご家族で見ながら話すときに使ってください。
よくある質問
送り迎えを、家族がしてもいいですか?
できます。ただ、送迎の分だけ料金が下がるので、事業所と先に決めておく必要があります。通院の帰りにそのまま寄る、といった使い方をされる方もいます。担当のケアマネジャーに伝えれば、事業所と調整してもらえます。
持ち物は何が要りますか?
着替え、タオル、飲みもの、薬。おむつを使っている方はその分も。持ちものには全部、名前を書いてください。同じような品が並ぶので、名前がないと分からなくなります。何が要るかは事業所によって違うので、契約のときに一覧をもらってください。
途中で回数を増やしたり、減らしたりできますか?
できます。ケアプランを作り直せば、翌月から変えられます。「最近しんどそうなので減らしたい」「もう1日増やしたい」と、担当のケアマネジャーに伝えてください。上限額の残りとの兼ね合いも、そのとき一緒に見てもらえます。
最終的なご判断は、担当のケアマネジャーや専門家にご相談ください。
現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。
この人について →